昨日はNHKで能公演「三井寺」を観ました。
「三井寺」はわが子をさらわれ、狂った女が、清水寺でわが子の無事を祈ったところ、近江の三井寺に行くように、とのお告げがあり、三井寺に行く話です。
三井寺に着くと、月見の最中で多くの坊主が並んでいるなかに、一人、幼子が混じっています。狂女と幼子が互いに名乗りあい、親子だと知って、抱き合い、終わります。
狂女の話としては、春の「隅田川」と並ぶ、秋の名作です。
遠近法なのか、わざとちいさくしつらわれた三井寺の名鐘が、秋を連想させます。
狂女が三井寺に着き、坊主どもが騒ぎ出してから、鐘をつき、わが子を抱くまでが、一気に魅せて、圧倒的迫力をもって迫ってきます。
それにしても、能の衣装は美しいですね。
演劇のファッションとしては、世界一です。
堪能しました。