良薬

精神障害

  昨日ほどではないですが、今朝もなんとなく落ち気味でした。
 しかし出勤しなければずるずるいってしまうと思い、蛮勇を奮って車に乗り込み、職場に向かいました。

 職場の玄関を見た時、恐怖に駆られるような気分でしたが、ぐっと堪えて顔を検温器に近づけました。
 この時ほど、熱があって入館できないという結果が出ることを切望したことはありません。

 しかし検温器は無情にも、「正常な温度です」と声を出しました。
 私は絶望に近い気持ちを持って、自分の机に座り、パソコンを起動しました。

 メールチェックをしたら、40通のメールが届いていました。
 1件づつ確認し、返信すべきものには返信し、単なる連絡メールは連絡メール用のフォルダに保管しました。

 それだけでも午前中いっぱいかかってしまいました。
 職場のメールは家のパソコンからも見られるように設定してあります。
 というか、リモートデスクトップを導入しているので、職場のパソコンの電源を付けたままにしておけば、家で職場のパソコンにアクセス出来るように設定してあります。

 コロナの影響で家にパソコンやタブレットがある者にはその設定をするよう指示があり、パソコンを持っていない者にはノートパソコンもしくはタブレットが貸し出されました。
 また、オンライン会議に家から参加できるよう、マイク付きUSBイヤホンとウェブカメラが支給されました。

 これらが、どこまでも追いかけてきて心を急き立てるので、平日に休んだ時は決してリモートデスクトップに繋げることも、職場のメールをチェックすることもしません。

 もしかしたらコロナ禍に伴う在宅勤務のための措置が、休暇を取った日にも気になってしまうことが、心の平安を乱し、朝起きた時よりも昼過ぎのほうが余計に不安感を強め、ODをしてしまったのかもしれません。

 5月8日から政府の方針に合わせ、在宅勤務も時差出勤も無くなります。
 私は在宅勤務も時差出勤もしませんでしたが、在宅勤務でほとんど出勤しない者もいました。
 そういう人にとっては、厳しい措置でしょうね。

 今日も出勤することが困難かと思われました。

 しかし不思議なもので、少しづつ働くことで、出勤できた、仕事もやっている、ということが自信に繋がるのか、精神が落ち着いてきました。

 出勤したこと自体が最大の良薬であったようです。