花に酔う 事を許さぬ

文学

  なんだかずいぶん春めいてえきましたねぇ。
 あと3週間もすれば、桜の季節です。
 
 そして、今日は亡父の4回目の忌日。
 あれから4年も経つんですねぇ。
 私も年を取るわけです。 

 花に酔ふ 事を許さぬ 物思ひ

 夏目漱石の句です。

漱石俳句集 (岩波文庫)
坪内 稔典
岩波書店

 夏目漱石は小説家として大成しましたが、俳句もよくしました。
 その特徴は、どこか厭世的で愁いに満ちていること。

 上の句も、春の物思いを詠んで、メランコリックな心地よさすら感じさせます。

 以前、今年の春は珍しく春愁の気にあてられていない、と、このブログに書きました。
 しかしいよいよ春めいてくると、やっぱり愁いが濃くなります。

 年度末も近づいてきました。
 木端役人をやっているかぎり、桜を見て憂鬱になるのは仕方ないのかもしれません。

 午前中、実家の寺に墓参りに行きました。
 座敷には7段飾りのお雛様が、庭には梅が、見事でした。