花橘の

文学

 今日は馬鹿に暖かったですねぇ。
 首都圏は軒並み25度を超える夏日だったとか。
 もう季節は初夏なんですねぇ。

さつきまつ 花橘の 香をかげば 昔の人の 袖の香ぞする 
                            よみひとしらず


 「古今和歌集」に所収の和歌です。
 初夏の花の香に昔の人をしのぶなんて、洒落ていますねぇ。

 五月雨に 物思ひをれば ほととぎす 夜深く鳴きて いづちゆくらむ  
                               紀友則


 こちらも「古今和歌集」に見られる初夏の和歌です。

 五月雨の夜、ほととぎすの声を聞いて感傷的になり、ほととぎすや自分はどこに行くのだろう、と詠っています。
 命の炎が燃え上がる季節であっても、感傷的になってしまう、わが国古典文学の特徴の一つでしょうか。

 私は今日の暖かさを素直に喜んでいます。
 3月5日に父が亡くなって一ヶ月半、体重が6キロも落ちてしまいました。
 食事制限も運動もしておらず、食欲のままに食っているのですが、その食欲が落ちてしまったのです。
 体重が落ちて寒さを強く感じるようになってきた頃あいでもあり、この暖かさは亡父がもたらしてくれたものに思えて仕方ないのです。

新版 古今和歌集 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)
高田 祐彦
角川学芸出版

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