事件事故にしろ自殺にしろ難病にしろ、若い人が亡くなるというのはたいへんな衝撃を周囲に及ぼすものです。
先般のバス事故でも、大学生の若さで複数の方が亡くなりました。
私の直接の知り合いでは、27歳で自殺した職場の後輩がいます。
あれからもう16年が経とうとしています。
生きていれば43歳。
責任ある地位に就いていたことでしょう。
若すぎるというには年を食っているかもしれませんが、去年、48歳の先輩が肝臓がんで亡くなりました。
「仕事を辞めたい」が口癖で、毎晩浴びるほど酒を飲んでいました。
普段の晩酌でウィスキーのボトル1本、宴会となると3本もあける酒豪で、宴会の翌日は気持ち悪いと言ってはトイレで迎え酒をあおるという破滅的な酒飲みで、案の定、アルコール性肝炎から肝硬変になり、ついには肝臓がんで亡くなるという結末を迎えました。
私はなぜかこの先輩から気に入られ、よく飲みに誘われましたが、飲み始めるとエンドレスで、必ず午前様でしたね。
退職して悠悠自適の生活を夢見ていたようですが、まさしく儚い夢と消えました。
若者や子供の死が人に多大な影響を及ぼすのは、夢いっぱいであったはずの未来が無残にも断ち切られ、長く生きてきた者はおのれの若い頃を思って、その悲しい心中を慮り、いたたまれない気持ちになると同時に、人の生き死にがあまりに不公平であることに、誰にともなく憤りを覚えるからであろうと思います。
せめて死後の世界が安穏としたものであらんことを祈るばかりです。