茶色

その他

 最近、世界が茶色っぽく見えてきました。
 比喩ではありません。
 茶色いサングラスをかけているわけでもありません。
 なんだか、茶色いのです。
 定期的に眼医者に通っていますから、特段心配することでもないのでしょうが、薄気味わるく感じます。
 これも老化なのでしょうか。

 茶色い世界、なかなか慣れません。
 パソコンの画面が茶色い、電車が茶色い。
 車を運転している時の明るいはずの晴れた街が茶色い。

 戸惑っています。

 こうして、失明への道を突き進むのでしょうか。
 怖ろしい。

 茶色い世界が怖ろしい。

 しかし私は、それでも生きていかなければなりません。
 茶色だろうと灰色だろうと。
 生きていかなければなりません。

 最近の自身の衰えは、嗤いたくなるほどです。

 出来たことが出来なくなり、ついにはそれが当たり前になるであろう老い。

 50代でそんなことが己に起こるなんて想像もしていませんでした。

 それでも、生きなければならないとは、しんどいことです。