菜の花

文学



 今日は日韓戦をテレビ観戦した後、晴れたので近所の住宅街をふらふらと歩き回りました。
 千葉県の花、菜の花が咲いていました。もう春本番ですね。

 与謝蕪村の句に、有名な「菜の花や月は東に日は西に」があります。小学校の国語の教科書にも載っている、蕪村の最も有名な句です。
 しかし、春の句では、私は、「愁いつつ岡にのぼれば花いばら」を良しとします。国文学者、芳賀徹は、これらの句を、「失われてしまった幼少の日々の緑の楽園、桃源への遡行の願い」が感じられる、と書いています。

 「徒然草」第十三段の、「ひとり、ともし火のもとに文を広げて、見ぬ世の人を友とするぞ、こよなう慰むわざなる」を実感させる、幸せな時間を、蕪村は私たちに与えてくれます。