今、同居人は特別養護老人ホームで暮らす義母に会いに行っています。
日曜日は大抵30分の面会に行っています。
それ以上の時間は許されていません。
同居人、子供の頃は虐待と言って良いような目に会わされていました。
殴る蹴るは日常茶飯事。
ちょっと気分が良くてふざけたりすると調子に乗るなといって叩かれたそうです。
その時の冷や水を浴びせられたような恐怖は忘れられないと言っています。
さすがに高校生くらいからは肉体的虐待は無くなったようですが、言葉による暴力は続いたそうです。
同居人はよく家族の話や、親に愛されるとはどういうことかといった話をします。
正直、一度も親に叱られたことの無い私には返答のしようもありません。
小学生の頃は自殺を考えていたそうです。
同居人は私が精神科に係り始めた時は付き添いでしたが、やがて幼い頃の虐待の話をするようになり、今では私とは別の患者として診てもらっています。
医師は「よく生き残りました」とか「縁を切ってもおかしくない」とか言うそうです。
そんな時、同居人は夫によって家を出ることが出来た、まさしく王子様だなどと涙ながらに語るそうです。
正直今でも同居人の気持ちはよく分かりません。
自分を虐待した親に毎週会いに行ったり。
親子といえども自分ではないという意味で他人です。
夫婦も兄弟も親戚も友人も結局は他人。
冷たいかもしれませんが、会っても30分の制限時間が長すぎる、間が持たないと言っている人に会いに行く必要は無いような気がします。