今日は二週間に一度の診察がありました。
じつはこの頃、仕事上で厄介な問題を抱えています。
すなわち、国庫金から支出される科学研究費補助金が、震災復興の財源をまかなうため、交付決定額の7割しか配分されていないのです。
最初は、後日残りの3割が振り込まれる、という話でした。
しかし最近、残り3割はカットになるのではないか、という噂が、大学などの教育研究機関の間でとびかっています。
私が勤務する国立の研究機関は比較的規模が小さいですが、それでも、交付決定額の3割というと、3千万円にも及びます。
科学研究費補助金はわが国の研究を支えてきた基幹的な資金であり、これが日本国中の大学等で一律3割カットされれば、わが国の教育研究に与える影響は計り知れません。
例えば、グローバルCOEのような大型の補助金ですと、一人の研究者に1億円以上の補助金を交付することになります。
それが3割カットされれば、7千万円。
研究計画を大幅に見直さざるを得ません。
もちろん、震災復興は急務であり、これを優先することは当然です。
しかし、国家の度量を測る指標ともいうべき科学研究費補助金を一律3割カットとは、いかにも乱暴な話で、まるで日本国は教育研究をないがしろにしている印象を否めません。
教育研究は国家百年の大計。
すぐに効果が現われない事業だからこそ、毎年の地道な積み重ねが重要です。
そんなわけで、私は研究機関の行政職員として、心ならずも研究者の皆様に国家財政厳しき折、堪えてください、と説明しています。
そのことが私を不安にしています。
診察でそれを訴えたところ、国家の大方針である以上、責任を感じず、気楽にやるように、と主治医から言われ、抗不安薬がいつもの倍、処方されました。
私は一介の現場職員に過ぎません。
その一介の現場職員にすら、補助金カットの合理的な説明ができないようでは、政治主導なんて阿呆なことをほざく前に、官僚機構が仕事をしなくなります。
野田総理には国家百年の大計を考え、限られた財源の優先順位を明白にされるよう求めます。
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