貧乏旅行

その他

 今日、貧乏旅行のTV番組を見ました。

 そこで、はるか昔の貧乏旅行を思い出しました。
 旅行先はインド。
 大学の卒業旅行で、インドを目指したのです。

 しかも一人旅。

 語学に若干の不安を抱きながら、観光英語くらいはどうにかなるだろうと思い、決行しました。

 宿泊先も決めず、完全な自由旅行。
 パッケージツアーにしようなどと、微塵も考えませんでした。

 どうしても行きたかったのは、お釈迦様が悟りを開いたとされるブッタガヤー、それに、全身をその川に浸せば極楽往生できると聞いた、ヴァラナシのガンジス川。

 10日間の旅でした。

 空港に到着して、タクシーでオールドデリーを目指した途端、カルチャーショックを受けました。
 私が乗ったタクシーに突如、助手席に見知らぬ男が乗り込んだのです。
 少し強めに「Who are you?」と問だたしたら、「No probrem」とか言いやがります。

 さらには、「お前は俺が乗ろうが乗るまいが、オールドデリーまで行って、料金を支払うのだろう」とぬかしました。
 私は日本でしか通用しない理屈をインドでかましたところで、無駄だと思い、それを許したのでした。

 オールドデリーに着いて、あまりの暑さに閉口しながら、一泊80円の宿に泊まりました。
 考えられない安さですが、インドでは当たり前。
 金が無かったわけではありませんが、私はあえて貧乏旅行にこだわったのです。

 宿の天井には、ヤモリが這っていました。
 翌日、オールドデリーとニューデリーを観光。
 オールドデリーでは馬車、車、人力車等々が走り回り、混沌としていました。

 ところがニューデリーでは、車、しかも日本車を含む外車が走り回り、近代的な都市でした。
 マクドナルドの入り口にライフルを持った警備員が立っていたのは驚きでしたね。

 高級レストランでもないのに。

 翌日、電車でヴァラナシに向かいました。
 ホームで6時間待ち、やっと来た電車に乗り込んだら、私の席にインドの紳士が座っています。
 私が文句を言ったら、24時間前のダイヤに乗ったのだとか。

 一日遅れだったのですね。
 インド、おそるべし。

 それでもヴァラナシに着きました。
 ガンジス川までは、ほとんど迷路。
 狭い路地が連なり、どこをどう歩いたのか、川岸に着きました。
 そうっと左足をガンジス川につけたら、ぬめっとしています。
 とても全身つでつかる気になれませんでした。

 私の左足だけが、極楽往生を遂げるのでしょうか。

 ガンジス川を周遊する小舟に乗りました。
 そこでは岡山から来た女子大生二人と同乗。
 日本語が妙に嬉しかったですねぇ。

 ヴァラナシの夜、私は愚行に走りました。
 怪しげなおっさんから大麻を購入。
 大麻を楽しんだその足で、売春宿に向かいました。
 大麻を吸っての性交、最高でした。

 翌朝、正気に戻った私は、昨夜の愚行を反省しつつ、ブッタガヤーに向かいました。

 人けの無い、静かな沙羅双樹。
 ここでお釈迦様は悟りをひらいたのですね。

 私がいくら沙羅双樹の下に座ったところで、悟りを開くなんてあり得ません。

 お釈迦様とはいえ、生身の人間。
 一体彼に何が起きたのでしょう。
 おそらくは、一種の神秘体験をしたのだろうと思います。

 その後一般的な観光をして帰りました。

 これ以上書くとあまりに長文になってしまいますので、これくらいにしておきましょう。

 懐かしい、貧乏旅行の思い出です。