貴乃花親方、引退、でいいんですか?

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 貴乃花親方が相撲協会に引退届けを出したそうですね。

 それで良いんでしょうか。

 私は若貴フィーバーの頃からこの人を見続けてきました。

 宮沢りえとの婚約会見から、ほどなくして破局。

 兄、若乃花との不仲。

 それでいて、一代年寄をもらえるほどの大活躍。

 私は正直言って、現役時代の貴乃花関が嫌いでした。

 かつての北の潮関、現在の白鳳関など、強過ぎる横綱は悪役になるものですが、この人の人気は衰えることがなく、私はそれが気に入りませんでした。

 しかし、親方になってからは、一本筋の通った、骨のある人だと、尊敬するようになりました。

 弟子が暴行を受けたとされる一件でも、この人は権力者と言うべき相撲協会理事長を相手に堂々と対峙し、最低ランクのヒラ年寄への降格と言う処分をも粛々と受け入れ、虎視眈々と次の一手を狙っているのだろうと、期待していました。

 ところが、このたびの引退。

 もう戦う気はない、と記者会見で言っていましたね。

 なぜ戦わない?

 自分が正しいと信じるのなら、相撲協会に残り、徹底的に戦うべきです。

 尻尾を巻いて逃げ出すのですか?

 弟子達が相撲に専念するにはおのれが引退するしかないみたいなことを言っていましたが、弟子に不利益があってでも、正しいものは正しいと言い続けることが、弟子への教育になるとは思わなかったのでしょうか。

 私がかつて敬愛した元大横綱にして正義を求める親方は、もういません。

 弟子のことばかりで、おのれを失った、もはや老人としか言いようのない、体のでかい抜け殻が存在するのみです。

 今後は入門前の少年達の指導をしたい、なんて言っていました。

 それは相撲協会上層部に対する敗北宣言としか思えない言葉です。

 どうか、新たな相撲団体を創設して、現在の相撲協会から大量の関取を引き抜くくらいの志を見せて欲しいものです。

 もう一波乱、もう一花、私を喜ばせてほしいものです。