菅総理が記者会見を開いて脱・原発を目指すと表明したのは7月13日のこと。
生中継で記者会見を見ましたが、てっきり総辞職か衆議院解散だと思い、緊張したところ、最後までそういう発言はなく、拍子抜けしました。
その2週間前。
6月29日に菅総理は某イタリア人と会っていたのです。
ピオ・デミリア。
イタリアの極左テロ集団、赤い旅団の弁護士です。
この人物が菅総理に脱・原発に舵を切るよう強く勧め、総理はその気になったというわけです。
赤い旅団、1970年代はじめには年間2千件ものテロ事件を起こしたというから驚きです。
当時のイタリア人は震えあがったことでしょうねぇ。
ついには元首相まで誘拐の末暗殺しています。
格好悪いことに、記者会見のわずか2日後には個人的な考えを述べただけだ、と閣内不一致の言い訳をし、結局経済産業省も電力会社もどうしてよいやらわからない、という状況が続いています。
おのれが最高権力者のくせに、経済産業省を巨大な権力機構に見立て、おのれをそれに立ち向かう市民活動家に見立てて大向こう受けを狙うとは、ブッラク・ジョークにしても毒気が強すぎます。
経済産業省職員はあなたの部下ですよ。
部下の不始末は上司の責任。
部下と対決してどうするんですか。
総理大臣に選ばれたのは、民主的な手続きによっており、出自は市民活動家だろうと官僚だろうと総理の倅だろうと小説家だろうとコメディアンだろうと、なんだってかまいません。
しかし、出自にこだわって、立場はがらりと変わったのに昔の手法で人気をとろうとするのは、いかにも芸がありません。
本当は今ではすっかり色あせた世界同時赤色革命の幻想でも世界中の極左テロリストと語り合っているのがお望みなのではないですか。
![]() | 首相暗殺―赤い旅団のテロルと闘った男の壮絶な日々 |
リック タナカ | |
集英社 |