人間の赤ちゃんと10歳くらいのチンパンジー(人間の高校生くらい)とで、面白い実験をしたそうです。
すなわち、女性がペットボトルのジュースをグラスに注ぐ映像を見せると、チンパンジーはジュースにばかり目が行くのに対し、人間の赤ちゃんは女性の顔ばかり見ているというのです。
このことから、人間は生まれながらにして他人の顔色を窺うようにできていると言えるのではないか、と推測されるそうです。
でもこれ、わざわざ実験しなくても、大方の人は経験的に知っていることですよねぇ。
1920年代後半にホーソン実験によって人間関係論が唱えられ、作業能率の向上には良好な人間関係が不可欠だ、と、E.メイヨーが結論付けた時、西洋人はあっと驚いたそうですが、私たち日本人はそんなことに驚くことにあっと驚きます。
当たり前でしょうが。
嫌なやつと働くよりも気心知れた相手と働くほうが生産性が上がるに決まっています。
欧米人は労働者をロボットだとでも思っていたのでしょうか。
そんなことでよく産業革命を成し遂げてきましたねぇ。
赤ちゃんとチンパンジーの実験にも、同じ匂いを感じます。
科学的な実験というもの、本当にあっと驚く結果を得られることもありますが、経験的に知っていることを裏付ける、という、なんだか切ないものもありますね。
私は科学的知覚よりも、直観的知覚や宗教的知覚にこそ、真実が隠されているように直観します。
というか、科学的、と称していることも、浅智恵の人間が考え出した建前に過ぎません。
赤ちゃんと猿の視線を観察するより、自己が生きてきた軌跡を内省するほうが、得るものが大きいんじゃないでしょうかねぇ。
![]() | ホーソン実験の研究 |
大橋昭一・竹林浩志 著 | |
同文館出版 |
にほんブログ村
人気ブログランキングへ
↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!