追われる

文学

  師走も4日目を迎えました。
 今のところ寒さはそれほどでもありませんが、なぜか気が急く月ですね。 

 うしろから 追はるゝやうな 師走哉

 正岡子規の句です。
 師走の慌ただしい感じがストレートに表現されています。

子規句集 (岩波文庫)
高浜 虚子
岩波書店

 今上陛下のご退位が再来年の4月末と決定し、平成の御世も残りわずかとなりました。
 そのことも、なんとなく気持ちが焦る要因になっているのかもしれませんね。

 私は昭和44年の生まれ。
 平成の御世が始まった時、大学生でした。
 世はバブルのまっただ中。
 私はバブルに浮かれる人々を、冷ややかに見ていました。

 その後バブルの反動か、20年以上に及ぶ冬の時代が続いています。
 最近は景気が良いと聞きますが、給料が上がらないのでそんな実感はありません。

 次の元号がどんなものになるのかはまだ分かりませんが、3つの時代を生きることになるのは間違いなさそうです。
 もしかしたら、4つの時代になるかもしれませんね。
 皇太子殿下は私より年上ですし。

 なんだか無駄に歳月を過ごしてきたような気がします。
 目の前の為すべきことを、ただ機械的に為してきただけのような。

 多分これからもそうなんでしょうね。
 ていうか、人間が生きるということはそうしたことなのでしょう。
 生きるため、つまらぬことでも為さねばならぬのですから。

 あぁ、わけもなく気が急きます。