巨匠、デヴィット・リンチ監督の遺伝子を受け継ぐジェニファー・リンチ監督による衝撃作「チェインド」を鑑賞しました。
9歳の時に母親とともに拉致され、母親はレイプされて殺された少年、ラビット。
以来、9年間にわたり、彼は男の家でこき使われ、レイプ殺人の助手をつとめさせられ続けています。
しかし、ラビットが18歳になると、レイプ殺人鬼はまるで彼を後継者にしようとするかのごとく、レイプ殺人に必要な人体の知識だのを教え始め、あまつさえ自分専用の安楽椅子と同じような椅子を購入し、彼にプレゼントします。
殺人鬼はラビットに「女の味を覚えなければいけない」と言い出します。
通常、女の味を覚えると言えば童貞を卒業し、さらに日々セックスにいそしむをことでしょうが、殺人鬼の場合、セックスの後の殺害までを含んでいるわけですから質が悪い。
殺人鬼はたびたび悪夢に襲われ、それによって彼もまた幼い頃から父親によって虐待を受けていたことが示唆されます。
よく虐待は連鎖すると言いますが、しかし虐待を受けた経験のある者が必ず自分の子を虐待するわけではなく、ましてレイプ殺人など行うわけもなく、それは虚しい言い訳に過ぎないでしょう。
フィクションですが、リアルな映像、ありえそうなシュチエーションで観る者を圧倒するというのは見事です。
後味は悪いですが。
遺伝というのは怖ろしいもので、例えば吉本隆明の娘が吉本ばななだったり、岸信介を祖父に、安倍晋太郎を父に持つ、安倍総理が誕生したり、才能というのはある程度出自に関係するようですね。
親子兄弟親戚一同全員東大卒なんていう一族もけっこういるようですし。
すると私がこれほど怖いお話や奇妙なお話を好むのは、いったいどこから発生した遺伝子なんでしょうか。
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ヴィンセント・ドノフリオ,エイモン・ファーレン,エヴァン・バード,ジーナ・フィリップス,ジェイク・ウェバー | |
アメイジングD.C. |