午後は2時間も昼寝し、その後、本日2本目のホラー鑑賞を行いました。
「11:11:11」です。
![]() | 11:11:11 [DVD] |
ティモシー・ギブス | |
オデッサ・エンタテインメント |
奇妙なタイトルが、目を引きました。
11年11月11日の11時11分にこの世とあの世の扉が開かれ、中間者と呼ばれる存在がこの世に現われ、終末を迎える、というネット上の与太話に取り付かれた小説家の物語で、結構本格的な邪教もののオカルト映画で、惹きこまれました。
小説家の母は11月11日に亡くなっており、愛する妻と息子も彼の愛読者が家に放火したため、11月11日の11時11分に亡くなっています。
妻子を亡くし、失意の日々を送る彼のもとに、スペインで牧師をやっている弟から父親が危篤だとの電話を受け、スペインに向かいます。
その間にも、たびたび11という数字を目にします。
父親は2011年11月11日に、預言者たる弟の命が危険にさらされるはずで、それを守るのがお前の使命だというイカレタ言葉を残し、その日、亡くなります。
無神論者だった小説家も、あまりに奇怪な出来事が頻発し、しかも11という数字が絡んでいるため、父の言葉を信じ、弟を守ろうと決意します。
弟は天真爛漫な、絵に描いたような聖職者です。
そしてその日の夜11時11分、ついに大量の中間者が弟を襲います。
11時12分を迎える直前、小説家は弟を守るため、中間者に立ち向かうのです。
スペインの古い町並みが不気味な感じを醸し出し、くすぐりとして入れられる恐怖シーンも効果的です。
ネタバレになりますが、最後の最後、弟こそはこの世を破壊に導く邪教の新たな指導者であり、兄が彼を守るために亡くなったことは、新しい聖書の創世記に記される、と瀕死の兄に告げます。
弟の身の回りを固める、味方だと思っていた人々はみなキリスト教にとって替わる邪教の信者であり、11時11分に現われた中間者とは、キリスト教的秩序を守るため、悪魔崇拝の指導者を抹殺するために使わされた天使だったというわけです。
バタ臭いオカルト映画ではありますが、世にあまた存在する怪しげな新興宗教を思う時、この映画に隠された宗教というものが持つ根源的ないかがわしさを感じずにいられません。