文学

 私は酒が好きで、数年前まで毎日飲んでいました。
 最近肝臓の数値が上がってきたので、週2~3回に飲酒の回数は減ってきましたが、止めるにはいたっていません。
 
 それにしても日本人は酒が好きですね。

 大体和食というのは酒のつまみを発展させて出来たようなもので、懐石などは酒がなければ手持ち無沙汰でやれません。

 花見、月見、雪見の酒、冠婚葬祭、歓迎会に送別会、暑気払いに忘年会、何かと言うと酒を飲みます。

 白玉の 歯にしみとほる 秋の夜の 酒は静かに 飲むべかりけり

 人の世に たのしみ多し 然れども 酒なしにして なにのたのしみ

 酒飲めば 心なごみて なみだのみ かなしく頬を 流るるは何ぞ

 語らむに あまり久しく 別れゐし  我等なりけり いざ酒酌まむ

 いずれも大酒飲みだった若山牧水の和歌です。
 この他にも酒を詠んだ歌はあまたあり、酒飲みの親分みたいな人です。

 ただ不思議なことに、酒と花鳥風月をからめて詠んだ歌は少なく、もっぱら己が境遇を歌った酒賛歌になっています。

 明治人らしい自我の放吟でしょうか。

 今日はカップ酒でも仕入れて近所の公園へ花見に出かける予定だったのですが、天気予報によると晴れるものの気温は13度までしか上がらないとか。
 ちょっと外で飲むには寒いでしょうか。

 あるいは酒なしで靖国神社から千鳥が淵あたりを散策しながら桜を楽しみましょうか。

 贅沢な悩みに心惑うおじさんなのです。

若山牧水歌集 (岩波文庫)
伊藤 一彦
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若山牧水随筆集 (講談社文芸文庫)
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