近頃は、どこへ行っても、誰に聞いても、金がないのオンパレードです。
国立大学等の教育研究機関は、平成16年度の法人化以来、毎年度1%予算が削られ、電気代すらおぼつかない状況です。1%というと、中規模総合大学で毎年5億円もの予算が削減されている計算になります。
その代り、グローバルCOEやら科学研究費補助金やらの競争的資金獲得を目指し、国公私立取り混ぜてパン食い競争を繰り広げているような状況です。しかもそのパンは、日持ちがしないのです。長くて5~6年。獲得できたとしても、すぐに次の競争に参加しなければなりません。
巷間言われているように、そう遠くない将来に、競争力の弱い大学、特に地方の単科大学などは、ばたばたと潰れていくでしょう。
昨今、ゆとり教育は失敗だったとばかり、詰め込み教育が復活しています。
鉄は熱いうちに打て。
暗記できる若いうちにできるだけ詰め込むべきでしょう。
バックグラウンドになる知識がなければ、まともな判断はできません。
それならば高等教育はどうか?
有名国立大学でも、理系の学生の数学や物理などの基礎知識が不足しており、高校レベルの補習をやっているような状況です。
今のような、目先の成果を求める競争的研究ばかりやっていたのでは、いずれ日本という国家自体が沈没していくでしょう。
教育は国家百年の計。
それには何より、先立つものが必要です。
日本の教育予算は先進国の中で著しく低いことは、何度も指摘されています。
しかし、民主党の教育行政の姿は、今だ、見えてきません。
年金・医療も金がない、半島情勢きな臭い折、防衛費も足りない、犯罪者が増えているのに刑務所が足りない、そもそも検挙率が落ちているのに警察にも金がない。ないないづくしが今の日本です。
天下り団体の廃止やら埋蔵金やら、無駄を省けば金は出てくる、と民主党は言っていましたが、事業仕分けをしたって、出てきた金など微々たるものでした。
役人はついた予算は使い切るのが本能で、しかも翌年度の予算が削られるのを極端に嫌います。
ここは予算の単年度主義を改めて、金を残した部署が表彰されるようにしたらどうでしょう。
役人は大方針が決まれば驚くほど忠実にその任務を遂行します。
ただ、憲法改正が必要なんですよねぇ。
議論百出の9条改正は将来の問題として棚上げ、ということで、どうにか与野党一致してくれませんかねぇ
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天野 郁夫 | |
東信堂 |