金が欲しさに醜いゲームにはまっていく友人同士を描いたシチュエーション・スリラーを鑑賞しました。
「ザ・スリル」です。
![]() | ザ・スリル [DVD] |
パット・ヒーリー,イーサン・エンブリー,サラ・パクストン,デヴィッド・ケックナー | |
ビデオメーカー |
初めての子が生まれたばかりの作家志望の中年男。
食うために続けていた自動車整備の仕事を解雇されます。
貯金もなく家賃も払えない彼は、立退きの通知を受け、絶望のあまり独りでバーへと立ち寄ります。
そこで5年ぶりに高校時代の友人と再会し、酒を呷ります。
友人もまた、犯罪すれすれの仕事でどうにか日銭を稼ぐ貧乏人。
謎の金持ち夫婦に一緒に飲んだら奢ると言われ、ご馳走になることに。
彼らは2人にあるゲームを仕掛けるのです。
「これができたら◯◯ドル! 」
ごく簡単な内容と引き換えに現金を手にし、喜ぶ2人でしたが、ゲームの内容は次第にエスカレートし、遂には逃げ場のない究極の選択へと彼らを導いていくのです。
金が欲しさに自分の小指を切り落としたり、ついには友人と殺し合いにまで発展したり。
目の前で最初は数万円、次第に数十万、数百万、数千万の金を積まれ、貧乏な男2人は醜くもエスカレートするゲームから逃れられなくなっていきます。
そしてそれを楽しむ金持ち夫婦もまた、醜いとしか言いようがありません。
金が欲しいのは誰でもそうですが、人間、貧すりゃ鈍すの言葉どおり、どこまでも行ってしまうのですね。
金持ちではなくても日々の糧に困っていなければここまでは出来ないと思いますが、悪いことに、2人とも明日食うことにすら困っていたのですよ。
私は毎週LOTO7を購入し、そうすることで、もしかしたら若隠居できるかも、という希望を糧に日々生きている欲深な人間ですが、さすがに150万円程度の金で自分の小指を切り落とすなんてことはできませんし、2500万円積まれても友人を殺そうなんて思えません。
でもそれをしてしまう人間の業の深さに慄然とさせられました。
私と同居人が同時に解雇されたら、同じことをするかもしれませんし。
それにつけても、金の欲しさよ。