かつて金属バットで人を殺すといえば、子が親を殺すものと決まっていました。
ところが先日、79歳の父親が50歳の息子を金属バットで殴り殺すという事件が起き、懲役7年が言い渡されました。
50歳の息子は20歳の頃から引きこもりで、将来を悲観して殺害に及んだものと思われます。
息子は精神疾患を抱え、月10万円の障害者年金をもらっていたそうですから、そう心配することもなかったんじゃないかと思います。
犯人は地方銀行を定年まで勤め上げ、定年後も8年間別の会社で働き、ここ10年ばかりは年金暮らしだったそうです。
妻とは不仲で、ほとんど会話がなかったとか。
また、妻は息子を溺愛し、妻と息子の関係性に嫉妬していたとも伝えられます。
犯行時、妻はパチンコに行っていて留守。
金属バットで殴りかかったとき、息子はとくに抵抗しなかったというから驚きです。
犯人が人生で一番楽しかったことに挙げた思い出が泣かせます。
社員旅行だそうです。
社員旅行なんて普通は厭々義務感で行くものなのに。
家族との間に楽しい思い出はなかったんでしょうかねぇ。
少なくとも20歳までは、息子も普通に育っていたでしょうに。
いっそ離婚して不仲の妻とも、引きこもりの息子とも縁を切れば無駄な殺人を犯さずとも済んだのに。
それにしても、求刑が懲役10年で、判決が懲役7年て、どっちも随分軽いですねぇ。
身勝手な理由で息子を殺した父親が懲役7年なんて、そんな軽い刑では世の中の引きこもっている人たちは殺されちゃいますよ。
引きこもりといっても精神障害者もいれば、とくだん理由がない者もいるでしょう。
部屋から一歩も出られない人もいればコンビニくらいまでは行ける者もいるでしょう。
家族に暴力をふるう者もいれば大人しい者もいるでしょう。
どちらにせよ、引きこもりではない人と比べて、殺されても仕方がないということはありませんし、被害者が引きこもりだからということが情状酌量の理由になったのだとすれば、引きこもりの人々は家族から殺害されることに怯えざるをえません。
私は法律や裁判についての知識はありませんから今回の判決が妥当なものかどうかはわかりません。
しかし無抵抗の息子を殴り殺したのなら、無期懲役くらいが妥当なのではないかと、素朴に思います。