鉄は熱いうちに打て

社会・政治

 一時期ゆとり教育ということがもてはやされて、今の新人なんかはゆとり世代とか言われていますね。

 私の職場にもゆとりちゃんがいますが、可哀そうにゆとり教育のせいで、有名大学出身にも関わらず、明らかに日本人として知っておくべき常識が身についていません。
 「番町皿屋敷」の主人公をお岩さんだと思っていたり、やんごとなきという言葉を知らなかったり、オーストリアとオーストラリアを混同したり、岡山を四国だと思っていたり。
 会話をしていると、毎日がアメイジングなんですよねぇ。

 ミスターゆとり教育と言われて飛ぶ鳥落とす勢いだった文部科学省の寺脇研氏は、ゆとり教育の絶滅とともに降任人事をくらい、さびしく職場を辞めていきました。

 当時さかんに言われていたのが、個性重視。
 個性を伸ばせと言われても、かえって困っちゃうのが圧倒的多数の児童生徒だったことでしょう。
 個性というのは、じつは押さえつければつけるほど伸びていくという天邪鬼な性質を持っています。
 個性を殺す教育を受けるとそれに反発して伸びていくのが本当の個性でしょう。

 もちろん、圧倒的多数の児童生徒は、個性を殺す教育をすれば、その通り没個性的になっていくでしょう。
 でもそれで良いと思います。
 個性的ではないというのが、その児童生徒の個性であり美徳なのです。
 社会に出れば、個性的であることは百害あって一利なし。
 会社や役所は、常識的で、周囲とうまく人間関係を築けて、自己主張せず、理不尽にも耐えて働く没個性的な人間を多く採りたがるものです。
 それは言わば当たり前で、あっちでもこっちでも自己主張されたら、組織は回っていきません。
 軍隊を思い浮かべれば一目瞭然。
 上官の命令に部下が従わなければ、勝てるものも負けてしまいます。

 十年にも及ぶゆとり教育という教育行政は、日本社会に後々大きな影を落とすでしょう。

 鉄は熱いうちに打て、と言います。

 暗記能力が高い子どものうちに、詰め込めるだけ多くの知識を詰め込まなければなりません。
 子どもたちは無意味な暗記と思うでしょうが、後に詰め込まれた知識が大きな武器になることに気付くでしょう。
 スカスカの空っぽ頭に個性的であれ、と言ったって、自意識過剰の俺様人間が生まれるばかりで、現にゆとりちゃんたちの多くは必要以上に高いプライドを持っています。

 今年の新人女性、仕事を頼んだら、「大卒の私にこんなことやらせるんですか?」と言い放ちました。
 今時大卒なんて、佃煮にするほどいるのにねぇ。

 これからは徹底的な詰込教育と管理教育で、有能な人材を育ててほしいものです。

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