銃規制

社会・政治

 先日米国の小学校で銃乱射事件がありましたね。
 まことに痛ましい事件でした。

 これを機にオバマ大統領は銃規制の法制化を目指すようですが、米国には全米ライフル協会という強力な圧力団体があり、多くの米国人がこれを支持しています。
 自分の身を守るために銃を所持するのは当然の権利だとして、銃規制に強く反対しています。

 そこで、ショット・ガンや自動小銃などの攻撃的銃器の所持を禁止し、所持は短銃だけに限るべきではないか、との折衷案を唱える議員が現われました。

 これに対し、全米ライフル協会は驚くべき提案をしました。

 各学校などは、攻撃的銃器を持った凶悪犯の襲来に備えて、同じように自動小銃などの攻撃的武器を複数所持し、反撃すべきだ、と言うのです。
 また、先の事件では、校長室に短銃があったにも関わらず、これを使用して反撃に及ばなかったのは学校側の過失であり、校長をはじめ教職員には重大な責任がある、とも。

 これでは学校などと凶悪犯との際限ない重武装合戦になり、ついには学校は大砲や戦車まで持たなければならなくなるでしょう。
 襲われるのは学校だけに限りませんから、あらゆる組織が重武装を目指したら、米国社会では常に頭のおかしい凶悪犯のちょっとした事件がきっかけで、内戦の危機にさらされることになります。

 この逆提案を聞いた英国外相は、一言「馬鹿げている」と冷笑したそうです。
 同感ですねぇ。

 米国の短い歴史のなかでは、ネイティブ・アメリカンからの襲撃や、ギャングから身を守るには、圧倒的に広い土地に圧倒的に少ない警察官という行政上の要請により、個人の銃所持を認めるのはやむを得なかったのかもしれません。

 そして今や遍く米国社会全体に銃の所持が行き渡ってしまったため、当然凶悪犯も暴力的組織も銃を所持しているため、一般庶民も持たざるを得ない、と言う状況が続いています。

 これは不幸なことです。

 一気に米国社会から銃を無くすことは不可能でしょうが、銃規制の法制化、それに伴う取締りなどにより、少しずつ、銃が無い社会を目指すのがよろしかろうと思います。

 米国は強権国家ではありませんので、秀吉の刀狩りのような大規模な強制力を持つ取締りは難しいでしょうが、まずは法を整えなければ手のつけようがありません。

 だいたい学校に自動小銃で武装せよとは何事ですか。
 それを生徒あるいは教職員が使って銃乱射事件を起こす可能性だってあるのですよ。

 所変われば品変わる、と言いますが、わが国と米国の銃に関する基本的立場の違いは天と地ほどですねぇ。

 やれやれ。

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