雨水

文学

 昨日は二十四節気の一つ、雨水(うすい)だったのですね。

 「暦便覧」には、陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となればなり、と記されています。
 確実に春が近付いているのですねぇ。

 野も山も 冬のままじゃに 春の水  

 与謝蕪村の高弟、高井几董の句です。

 今では忘れ去られた感のある俳人ですが、ほのぼのとした秀句を残していますねぇ。
 この時季にふさわしい句です。

 この人の春の句というと、

 水に落ちし 椿の氷る 余寒かな

 
を思い出します。

 余寒というのが寒さのなかに春を感じさせます。
 
 さらに、

 むらさきに 夜は明けかかる 春の海

 というのがあります。
 こちらは壮大で美しい、一幅の絵のような感じが浮かびますねぇ。
 どちらも味わい深い句だと思います。

 もういい加減寒いのは勘弁してほしいですねぇ。
 花咲く春の暖かさが待たれます。


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