雪見

文学

 首都圏は、雪。

 私の職場の窓からも、大粒の雪が降り続いているのが見えます。

 今、昼休み。
 400円の日替わり弁当で、雪見を楽しんでいます。
 本当は熱燗でもほしいところ。
 事務室内は暖房が効いていますが、一歩廊下に出れば、縮こまるような寒さです。

 酒のめば いとど寝られぬ 夜の雪   松尾芭蕉

 雪見の酒を独りでやっていると、人恋しくて眠れない、といったほどの意でしょうか。
 俳聖も人の子だったのですねぇ。

 雪の内に 春はきにけり うぐひすの こほれる涙 今やとくらむ  
                          二条の后(古今和歌集)


 雪の降っている中に春が来ました、ウグイスの凍っていた涙は今、とけるでしょうか、といったほどの意かと思います。
 美しいイメージの歌ですねぇ。

 この雪は、きっと春の到来を告げるものでしょう。

 逝く冬を惜しみ、今宵は熱燗で雪見酒とでもしゃれこみましょうか。

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雲英 末雄,佐藤 勝明
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新版 古今和歌集 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)
高田 祐彦
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