零下4度

文学

  今朝の首都圏はひどく冷え込み、都心では48年ぶりに零下4度を記録したそうです。
 48年前というと、私は生後数か月。
 覚えているはずがありません。

 低温注意報は33年ぶりだそうです。
 33年前と言えば私が中学三年生。
 高校受験の時期と重なりますが、それほど寒かったという覚えはありません。

 また、首都圏各地で水道から水が出ない、という苦情が水道局に寄せられたんだとか。
 凍っちゃったものは水道局に文句を言っても仕方ありますまい。

 徒(いたずら)に 凍る硯(すずり)の 水悲し

 寺田寅彦の句です。

 寺田寅彦が活躍した時代には、書斎には必ず硯と筆が置かれていたことでしょう。
 その硯の水が凍ってしまった、ということでしょうか。
 怖ろしく寒い書斎ですね。
 ちょっと滑稽味を感じる句です。


 近年では、筆ペンなどという、便利ですが野暮で無粋な物が跋扈し、硯を使うこともありません。

 さすがに私が住むマンション、鉄骨とコンクリートでできているので、保温性が高く、部屋の水が氷るなんていうことはありません。
 ベランダに水を張っておけば凍るかもしれませんが。

 子供の頃、庭の池に金魚を飼っていて、冬になるとよく表面が凍ったものです。
 しかし金魚というのは健気なもので、氷の下の水中をたくましく泳いでいました。

 我が国には豊かな四季があり、それぞれの季節を楽しまなきゃ損ですが、さすがにこう寒いと春が恋しくなります。
 特にここ数年、寒さが堪えるようになりました。
 5年前、父が亡くなって急激に痩せたせいでしょうか。

 今、私は半袖の下着の上にぽっかるんというベスト型の下着を着て、その上に長袖の下着を2枚着け、しかる後Yシャツを着ています。
 下はパンツを履き、さらに起毛した股引を履き、その上にさらに普通の股引を履いてズボンを履いています。
 多分、顔を除き、体だけ一回り太ったように見えるんじゃないかと思います。

 また、職場では、指無し手袋をずうっと着けています。

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 太っていた頃だったら鼻血が出そうないでたちです。
 脂肪というのは天然の防寒具だったのだなと、今になって思います。

 もっとも、太っていたのはうつ病治療薬の副作用のせいで、ほんの数年間のことです。
 太る前は、今ほど寒がりでは無かったように覚えています。

 体質は変わるものですね。

 20代の頃は、冬の、ピリピリするような凛とした空気が好きだったのですが。


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