雷の季節の終わりに

文学

 三冊目の恒川幸太郎作品を読みました。

 「雷の季節の終わりに」です。

雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)
恒川 光太郎
KADOKAWA

 前2作と同様、異界での切ない物語が展開します。

 隠(オン)と呼ばれる、この世と微妙にずれた世界で育った少年が、冒険を繰り広げるファンタジー。

 隠には、春夏秋冬のほかに、雷季とよばれる季節があります。
 その季節には、どんな不思議なことが起こっても不思議ではありません。

 風わいわい、とよばれる物の怪に憑かれた少年。
 しかし風わいわいは悪さをするわけではありません。
 むしろ少年を守ってくれる存在。

 鬼衆、と呼ばれる集団や、風葬をする墓町など、不思議で魅力的な舞台装置が揃って、物語を豊穣なものにしています。

 ふとしたことから、少年は長い旅をしてこの世にたどり着きます。
 その間の冒険が綴られます。

 同じ作家の本を三冊続けて読むのは私には珍しいことです。

 じつは4冊目も購入してあります。

 すっかりこの作者の世界に魅入られてしまったようです。

 幸福なことに。
 


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