青臭い

思想・学問

 私は物心ついてから、生命はなぜ存在するのか、どこから来てどこへ行くのか、という問いから解放されたことがありません。
 そしてそれは、私に限らず、圧倒的多数の人々が、そうなのであろうと思います。
 私は十代の頃、薔薇十字会やスウェーデンボルグ、ルドルフ・シュタイナー、マダム・ブラヴァッキーなど、西洋の神秘学に深く心惹かれました。それは、まるで魔法のように、この世の秘密を解き明かしているように思えたからです。
 しかし西洋の神秘主義は、反則を使いました。「神」です。唯一絶対の神を設定してしまえば、それですべてがおしまいです。ユダヤ教・キリスト教・イスラム教、すべては同じ原理で、問いから逃げています。
 その後、私は仏教に惹かれました。
 仏教は、この世の成り立ちと、いかに生きるべきか、を問うて、見事に応えています。
 しかし、なぜ、と、どこからどこへ、には応えていないのです。
 そういう意味で、仏教もヘブライ3宗教と同じように、私、そしてあらゆる人類にとって最も重要な問いに応えていません。

 なぜ在るのか、どこから来てどこへ行くのか。

 私は不惑を迎えながら、青臭い問いから逃れられないでいます。

 リワークは、現世を生きる術を学ぶ場です。それはそれで楽しいし、そこでできた人間関係は代えがたいものです。
 
 しかし、だからこそ、生きることを楽しいと感じられるようになった今だからこそ、根源的な問いに立ち返ってしまうのです。

 なぜ、どこからどこへ?