韓国面に落ちる

思想・学問

 近頃インターネットで、韓国面に落ちる、という言葉を時折見かけます。

 これは要するに、韓国人の激しい反日行動に対して、日本人もまた、韓国人のように激しく韓国を貶めたりけなしたりする言論を行うことを指します。
 韓国人のように感情的にならず、冷静に、理性的に物事を見ようというメッセージが込められているものと推測します。

 もちろん、「スター・ウォーズ」シリーズで、ジェダイの騎士が誘惑にまけてジェダイから外れ、悪に染まる様を、暗黒面に落ちる、と表現したことのパクリです。

 善悪という観念はなかなか難しいものです。

 例えばキリスト教では神様の存在を認めますが、すると当然悪魔の存在をも認めなければならず、悪魔は強大で怖ろしく、この世は神と悪魔の永遠の闘争と見なされます。

 しかし、悪魔の親分は元はと言えば神様に仕えていた天使の中でも最も格が高い大天使だったわけで、神様は部下に反乱を起こされ、これの鎮圧に未だ成功せず、テロ攻撃のようなものにさらされ続けているということになるのではないでしょうか。

 日本神話では、天照大神の使者が天から降りてきて、日本を治めていた大国主命に国を譲れと迫り、大国主命と長男は相手方が強大であることに怖れをなし、しぶしぶ国譲りを認めたが、次男がこれを潔しとせず、使者と相撲をとり、次男が敗れたために次男も国譲りを認めざるを得なくなった、とされています。

 神話ですから、はっきりしたことは分かりませんが、おそらくは侵略してきた軍隊と土着の人々との間で激しい戦争が起こり、それを相撲と表現しているのではないかと思えてなりません。

 嘘か真か、古代においては大国主命を祀る出雲大社には縄が打たれていた、という説を聞いたことがあります。

 それだけ、天皇家の祖先とされる天照大神を祀る伊勢神宮を心の寄り心とする古代の支配者となった人々は、出雲系の人々の反乱を怖れていたのでしょうねぇ。

 ただ、神話では、大国主命はスサノオの子孫とされており、スサノオは天照大神の弟神ですから、天孫系も出雲系も、元を正せばイザナギ・イザナミを祖とする親戚ということになっており、ここに日本神話誕生の秘密の装置が隠されているように感じます。

 戦ったとはいえ親戚だ、というわけです。

 普通、神社では、二礼二拍手一礼を正式な作法としますが、出雲大社では拍手を4回打つそうです。
 作法の違いに出雲大社に許されたわずかな矜持を感じます。

 天皇家が天照大神の子孫とされているように、出雲大社の宮司は代々大国主命の子孫とされる人が就いてきました。

 ここでキリスト教と大きく異なるのは、天孫系も出雲系も互いに相手を悪だなどと決め付けることなく、ほぼ同化していったこと。

 これを近代にいたって、大日本帝國は朝鮮半島と台湾に行おうとしました。

 台湾では大いに成功し、今でも老人などは流暢な日本語を話し、日本精神を懐かしく語ります。

 長いこと台湾独立運動の闘士だった金美齢は、独立を諦め、大陸に占領されたら中国人になってしまい、それだけは絶対に嫌だと、最近日本国籍を取得し、台湾系日本人を自称して、日本精神の復活を唱えています。
 なんと台湾では細々と祖国復帰運動なるものが続いており、祖国とは日本のことだそうで、驚いちゃいました。

 日本精神という言葉、わが国では聞きなれませんが、台湾の老人は子や孫の教育の際や、役人の汚職事件などが発覚した際、この言葉を持ち出すそうです。

 勤勉で真面目で嘘はつかず、人には親切にする、というのが日本精神の大雑把な意味らしいですが、それは人類すべてが遵守すべき普遍的価値に過ぎないような気がします。


 一方朝鮮半島ではいくら教育を施し、インフラを整備しても同化することなく、帝國憎しの感情を募らせ、今に到ります。

 わが国は韓国面に落ちることなく、冷静で理性的に彼の国と対さなくてはならないと痛感します。

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