飛ぶ夢を見たくて

文学

   師走を迎えたせいか、このところ忙しい日々が続いています。
 仕事中も、なんだかイライラしています。

 そのせいか、仕事をほっぽりだして、どこかへ消えたいなどと、実現不可能な夢を見ます。

 折りも折り、先般45歳以上の職員全員に早期退職を促すメールが人事担当部署から届きました。
 人件費の高い中高年の職員には早く辞めてほしいようです。
 しかし、少々退職金が上乗せされたところで、それだけで一生食っていけるわけもありません。
 手を挙げたいと思いながら、ぐっと堪えています。

 私は、どこかへ飛んで行きたいのでしょうか。

 飛ぶ夢を 見たくて 夜の金魚たち

 という俳句がありましたっけ。
 黛まどかの句で、「聖夜の朝」という句集に載っていたように覚えています。

聖夜の朝 (講談社文庫)
黛 まどか
講談社

 一生を狭い水槽で過ごす金魚たち。
 その金魚たちですら、いやだからこそ、飛ぶ夢でも見て慰めを得たいのでしょうか。

 私は悲しいかな飛ぶ夢をみたことがありません。
 せめて夢の中ででも、浮世のよしなし事を忘れて、自由に羽ばたいてみたいものです。

 
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