高校野球

文学

 夏の甲子園大会も佳境を迎えていますね。

 私は元来、高校野球を好みません。
 技術も未熟だし、体もひょろひょろで頼りない。
 そのうえ用もないのにヘッドスライディングなんかしてユニフォームに土をつけて喜んでいるのがあざとい感じがします。
 しかし、因縁浅からぬ高校が出場すると、そうは言っても気になります。

 東東京の関東一高と千葉の成田が対戦しました。
 東東京は私のふるさと。関東一高に進んだ友人も大勢います。
 一方千葉は現在私が住まいする地。
 職場の人々はみな成田を応援していました。
 結果、成田が快勝しましたね。
 関東一高の選手も悔いはないのではないでしょうか。

今やかの   三つのベース人満ちて  そゞろに胸のうちさわぐかな

若人の すなる遊びはさはにあれど ベースボールに如く者はあらじ


 野球をこよなく愛した正岡子規の歌です。
 私はスポーツは苦手で、もっぱら観戦するほうですが、ときには自分にもスポーツの才能があったらいいな、とおのれの運動音痴を嘆くのです。

正岡子規―ベースボールに賭けたその生涯
城井 睦夫
紅書房