高齢の引きこもり

社会・政治

 町田市役所が市内の引きこもりの実態を調査したところ、家族・親族・友人に引きこもりの知り合いがいると答えた人が3割を超えたそうです。

 ずいぶん多いですね。

 また、引きこもりというと若者のイメージが強いですが、40歳代が17%、50代以上が13%を占め、引きこもりの30%にあたる人が40歳以上という実態が明らかになりました。

 引きこもりや二―トが問題になり始めたのはもう10年以上も前。
 そのまま引きこもりを続ければ、平均年齢が上がるのは当たり前。

 当時は15歳から34歳で就学も就労も職業訓練も受けていない人、というのがニートの定義でしたが、この年齢を上げなければならない状況になってしまいました。

 高齢のニートや引きこもりの難しい点は、就労しようにも年齢が引っ掛かって働き口を見つけられないこと。
 さらには就職できたとしても、長年の引きこもりのせいで社会性が身についておらず、また年相応の落ち着きも無いことから、すぐに辞めてしまうこと。

 こういう人が増えると、将来、親が亡くなって食っていく道がなくなり、当然年金も貰えないことから、生活保護を受給する者が激増し、公金を食ってしまうことになりかねません。

 働かざる者食うべからずとは、昔の人はずいぶん冷酷に、厳しい現実を端的に言い表しました。

 しかし今は、憲法で最低限度の健康で文化的な生活が保障されており、その規定に基づいて生活保護を受給することができます。

 そうなると、働いている者が高齢の引きこもりの面倒を見ていることになり、これは社会的に見て不公平です。

 病気などで働けない人はともかく、大量の引きこもりを食わせるほど、わが国の財政状況は余裕がありません。

 ではどうすれば良いか。

 本人の自覚を待つだけでは問題は解決しないでしょう。

 まずは役所やハロー・ワーク、引きこもりの支援をする民間団体に相談してもらって、本人の適性を勘案しつつ、出来ることから始めてもらう他ないでしょう。

 また、ある一定規模の事業所には障害者を一定の割合で雇用することを義務付けているように、中高年の引きこもりやニートを雇用することを義務付けたり、雇用した企業には税制面で優遇措置を与えたりといった方策を採る以外に無いと思います。

 思春期から50代に差し掛かるまで引きこもっている人々は、おそらく私の想像を絶する激しい魂の漂流を続けているものと推測します。
 そんなしんどい思いをするよりも、面倒でも社会に出て働いたほうがよほど気が楽になるということを知ってもらいたいと思います。

 もちろん、仕事にもよりますが。

 まずは簡単であまり人と接触しなくてよい、簡単なデータ入力などの仕事を、引きこもりの人々に優先して紹介することから始めたら如何かと思います。


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