鳴り響く音楽

その他

 最近、仕事中といわず、入浴中といわず、シューベルトの交響曲「未完成」が私の頭の中でがんがんと鳴り響いています。執拗にくりかえされる主題が、途切れることもなく。  
 
  通勤の車で聞くようになり、なぜか、この曲ばかりくりかえし聞いています。  

  こういう経験は、はるか昔、小学校のころにありました。 
  そのときは、「地獄の黙示録」で米軍がベトナムに空爆をする際、大音量で流していたワーグナーの「ワルキューレ」です。
  そのシーンは凄惨で、ひどく恐ろしいのに、「ワルキューレ」はどこまでも美しく響くのです。  
  それと、「オーメン」シリーズの混声合唱。J・ゴールドスミスの「アヴェ・サンターニ」です。恐怖シーンには必ずこれが流れて、幼い私は震えあがったのです。
 
  小学生の私は、勝手に流れ出す「ワルキューレ」「アヴェ・サンターニ」に恐怖しながらも、その美しい旋律に酔いしれたのです。  

   中学生になると、私は文学や古典芸能に興味が移り、音楽に頭が支配されることはありませんでした。流行の歌を、テレビやラジオが垂れ流すままに、ぼんやりと聞いていました。

  35歳でうつ病に罹り、ポップスもロックも演歌も耐えがたい騒音としか思えなくなりました。そのとき、唯一聞けたのが「ジムノペティ」などの、エリック・サティの静かなピアノ曲でした。しかしこのピアノ曲が私を支配することはついにありませんでした。  

   その後いくつかシンフォニーを聞くことができるようになって、目下「未完成」が鳴り響いているというわけです。

シューベルト:交響曲第8番「未完成」/交響曲:第9番「ザ・グレイト」 [DVD]

ビデオメーカー

このアイテムの詳細を見る
地獄の黙示録 特別完全版 [DVD]

角川エンタテインメント

このアイテムの詳細を見る
オーメン コンプリート・コレクション [DVD]

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

このアイテムの詳細を見る
エリック・サティ・ピアノ作品集
ビル・クウィスト
BMG JAPAN

このアイテムの詳細を見る