昨夜、スペインで実際に起こった虐待事件を元にした「鶏小屋」を観ました。
ドラッグや性逸脱、暴力などの問題行動のある5人の少年少女が山奥にある民間の矯正施設に送られます。
ここがじつにひどいのです。
スパルタ式というか、ちょっとでも問題があると見なすや殴るはけるは、布を頭に被せて水をかけ、窒息寸前に追い込むは、逆さづりにして水槽に頭を沈めるは。
日本で言えば戸塚ヨットスクールみたいな感じですかね。
そこの女所長が不良少年を蛇蝎のごとく嫌悪しており、どうやらそれは過去所長の息子を事故死させたのが不良少年だったかららしいのですが、もはやドSの女王様です。
そこで5人は脱走を企て、一人だけが成功して当局に通報、所長以下職員は逮捕されます。
そこでやれやれ、と思ったら、話は終わりではありません。
民間の矯正施設に送り込まれるくらいですから、少年少女の親たちはいずれも裕福。
彼らは親元に戻っても秘かにつるみ、矯正施設で目覚めた暴力への親和性を発揮し始めるところで映画は終わります。
要するに虐待の連鎖。
幼児虐待でなくても、また、親からの暴力でなくても、日常的に暴力を受けた経験があると、他人へ暴力をふるうことに対する心理的垣根が低くなってしまうようです。
実話ならではの説得力と、物語性のなさゆえの退屈さが同居した映画です。
一種の問題作でしょうねぇ。
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