私はときおり精神障害者の自助グループに出かけますが、じつに様々の障害を負った人々と知り合いました。数が多いのはうつ病、続いて私も含まれる双極性障害(躁うつ病)、統合失調症、社会不安障害、パニック障害、それと、変った所では、薬物中毒患者。
薬物中毒に関しては、精神障害者の自助グループに来るより、ダルクとかAAに行ったほうが良いような気がしますが、自助グループは来る者拒まず、なので、受け入れています。
その人によると、麻薬は興奮作用が強いアッパー系(覚醒剤など)と、逆に抑制作用が強いダウナー系(ヘロインなど)、さらには幻覚をみてしまうサイケデリック系(LSDなど)に大別されるそうです。
それぞれ習慣性が強く、なかなか止められないそうです。
比較的習慣性が薄く、辞めやすいのはマリファナだそうで、米国映画を観ているとじつに頻繁にマリファナを吸っていますね。
アルコールは強力なダウナー系の麻薬であり、習慣性も強いのに、どこでも手に入れることができるという怖ろしさを持っています。
さて、共産主義の親分は、宗教はアヘンだ、と言ったとされています。
宗教を麻薬扱いするとは親分のお里が知れるというものですねぇ。
怪しい新興宗教などは、信者を洗脳し、金を巻き上げ、しかも信者はそれを喜びとし、抜けられない、という意味では麻薬と似ているのかもしれません。
しかし仏教にせよキリスト教にせよ、既成宗教は宗教の教義そのものというより、倫理規範を社会に示し、それを教育することで社会貢献していると言え、信者を洗脳する気など持っていないでしょう。
むしろソ連や東欧、ポルポトなどが行った強烈な洗脳や自国民の大量逆殺を見れば、共産主義こそ怖ろしい麻薬だったと言うべきでしょう。
その麻薬、中国や北朝鮮はまだ捨てようとしません。
自助グループの麻薬中毒患者は、中学生の頃はシンナー、その後マリファナ、LSD、ヘロイン、覚醒剤、酒と、ありとあらゆる麻薬を試し、刑務所を出たり入ったりしています。
刑務所を出たその日に闇金から200万円借り、覚醒剤でキメて女を買い、競馬をやって一日で200万円を遣いはたし、途方に暮れているところを御用となって刑務所にとんぼ返りしたこともあったとか。
私が患う双極性障害も金遣いが荒くなったり、暴力的になったりする躁状態がありますが、この麻薬中毒患者ほど極端な例は知りません。
その人、私と同い年なのですが、生きてきた軌跡があまりにも違いすぎて、経験談を聞くのは楽しいですねぇ。
今はほぼ完全に麻薬を止めて、大分調子は良いようです。
私もそろそろ寿命だと思ったら、一度麻薬を経験してみたいですねぇ。
麻薬もまた、人間が創りだし、営々と続けている文化でしょうから。
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