70億人

社会・政治

  世界の人口が70億人を超えたと、国連事務総長が発表しました。

 2050年には93億人に達するとか。

 人類の繁栄、誠におめでたいことですが、そんなに大勢の人間が三食食えて、着る物にも住む家にも不自由しない世界を作り上げるのは至難の業でしょうねぇ。

 豊かな生活を手に入れた先進国の国民は自分の生活レベルを下げることを極端に嫌うでしょう。
 豊かな国は少し貧しく、貧しい国は少し豊かになるように世界規模で富の再配分を行うのが一番良いのでしょうが、ことはそう簡単ではありません。

 私だって、私の給料が下がったり、日本に移民が大量に流入することに非常に危機感を覚えます。 

 日本を含む先進国は軒並み少子高齢化が進み、人口が増えるのはインドやアフリカなどの国々で、貧富の格差も大きく、社会矛盾を抱えています。

 私は地球規模の人口爆発は、世界の不安定要因になるだろうと考えています。
 食えない国が食える国に嫉妬し、地球規模の政策を考えなければならなくなるでしょうが、人類は未だかつてそういう経験がありません。
 国家レベルの政策が最も広域のものです。

 例えば原子力発電は止めて自然エネルギーでまかなわなければいけない、というのは誰も異論がないと思いますが、今すぐにそれをやるのは不可能です。
 豊かな国が少しずつ質素な生活に慣れて浮いた富を貧しい国に、と言ったって、経済力や軍事力などのパワーバランスの上に平和が成り立っているのに、そんな原始共産制のようなことをすれば、人間社会を滅ぼすような大戦につながるでしょう。

 では人口爆発後、世界はどうすればよいのでしょうか。
 
 私が昔教わった英語の先生は、感染症の効用ということを説いていました。
 古くはペストとか、後にスペイン風邪とか、最近では鳥インフルエンザとか。
 ペストが大流行した中世ヨーロッパでは、三分の一もの人々が亡くなったと聞いています。
 英語の先生は、エイズはあんまり良い病気ではない、と言っていました。
 感染力が弱く、潜伏期間が長いため、大量に人を減らす能力がないからだそうです。
 
 もうおわかりのとおり、その英語の先生は、人口爆発に対して極めて楽観的でした。
 ネズミが増えすぎると集団自殺するごとく、人間も増えすぎれば神の見えざる手によって、効率の良い感染症が流行ったり、世界大戦が起きたりして人口調節が行われる、と信じていた風でした。

 あまりに冷酷な考えではありますが、人間もまた蟻や蜂のように、個体よりも群れを守る本能があるのだとしたら、先生の考えもあながち間違いとは言えません。
 そしてお国だか天皇だかアッラーだか自由だか金将軍様だかお題目は何だか知りませんが、群れを守るために命を捨てることを良しとする思想は古今東西どこでも見られる価値観です。
 人間にもネズミのように、集団自殺の本能がインプットされているのでしょうかねぇ。

 未来のことは誰にもわかりませんが、どんな事態が起きたとしても、その日一日を、飯を食って糞をたれ、眠るという基本を守って生きる他ありますまい。
 

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