75歳の芥川賞作家誕生なるか

文学

 先般、芥川賞候補が発表されました。

 その中で一際注目を浴びたのが、75歳の黒田夏子
 過去、最も高齢で芥川賞を受賞したのが森敦
 当時62歳。
 もし黒田夏子が受賞すれば、一気に記録を13歳も更新することになります。

 私は芥川賞候補が発表されるまで、黒田夏子という人を知りませんでした。
 当然、作品を読んだこともありません。
 なんでも横書きで、一切カタカナを使わず、固有名詞も登場しないという独特の文体だそうです。

 国語教師や事務職で生計を立てながら、20代から小説を書き続けているとか。
 40年以上前から新人賞などへの応募は一切せず、黙々と書き続け、時折同人誌に作品を発表するだけだったそうです。
 そういう人を、よく芥川賞の選考委員会は見つけたものです。
 対象となった「abさんご」という作品は「早稲田文学」新人賞を受賞したのだそうです。
 新人賞としては、メジャーとは言えない賞ですが、よほどインパクトが強かったのでしょうねぇ。

 アマチュアとは言え50年も小説を書き続けてきた老婆に新人賞というのも不思議な感じがします。

 苦節10年なんて言いますが、彼女の場合苦節50年ですか。
 でももしかしたら商業ベースに乗ることを嫌い、ひたすらおのれの魂と向き合うための作業として小説執筆を続けてきたのだとしたら、なんだか今さらお気の毒のような気もします。

abさんご
黒田 夏子
文藝春秋

 

月山・鳥海山 (文春文庫 も 2-1)
森 敦
文藝春秋


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