雨が降ったりやんだりの土曜日。
久しぶりに映画館に出かけました。
近所のシネコンまで車でわずか15分。
観たのは、「22年目の告白ー私が殺人犯ですー」です。
1995年に起きた連続殺人事件。
5人もの命が奪われながら、時効を迎えます。
それから7年、突如、事件の犯人を名乗る男が現われて手記を出版。
テレビに出たり、被害者遺族に土下座したりと、派手なパフォーマンスを繰り広げます。
藤原竜也演じる自称犯人は、一躍マスコミの寵児となります。
その甘いマスクとスタイリッシュな服装で、多くのファンを獲得します。
当然、手記を出版した出版社や自称犯人には鋭い批判が寄せられ、被害者遺族から命を狙われたり。
22年前、犯人逮捕直前まで迫りながら取り逃がした刑事を伊藤英明が演じています。
さらに、元フリージャーナリストで、22年前事件を追ったテレビキャスターを仲村トオルが演じます。
いずれ劣らぬ俳優3人を軸に、被害者遺族やマスコミの狂奔ぶりが、現代の高度情報化社会を嘲るように描き出され、見応えがあります。
しかし、自称犯人を偽者と断じ、我こそは真犯人なり、という男が現われて、物語は混沌としていきます。
やがて語られる真実。
観る者を騙す映画が数多く製作される現代においては、それほど奇抜なラストではありませんが、なぜか印象は後味の悪いものではありません。
むしろ観終わってみると、予定調和的とさえ言えるのが、やや物足りなく感じます。
しかし、当代の名優3人による脂の乗った競演は見事です。
それだけで観る価値あり、です。