時とともに
何事も、古き世のみぞ慕わしき。今様(いまよう)は、無下(むげ)にいやしくこそなりゆくめれ。 鎌倉時代のブログともいうべき、「徒然草」第22段の冒頭です。 はるか鎌倉時代から、人々はその当時の風俗や言葉遣いを嘆いていたことが分かります。 現代日本語も、短い間に変化しました。 古い映画やニュースで語られる日本語は、今とはずいぶん違います。 まず、早い。 小津安二郎や黒澤明の映画など、早口で、かなりきつい東京弁です。 書き言葉で言えば、明治から始まった口語文。これの普及で、古文漢文をすらすら読むことは、現代人には困難になりました。 戦後、新仮名遣いが始まり、日本語の変化は加速しました。 怖ろしいこ...