桜桃忌
今日、6月19日は太宰治の命日、桜桃忌ですね。 今も若者を中心に多くの愛読者を持つ不世出の天才作家です。 毎年この日にはお墓参りを欠かさないファンも多いと聞きます。 私も中学生の頃、文庫本で読める作品はすべて読みました。 当時は「人間失格」やら「斜陽」やらのいわゆる代表作にのめり込みましたが、今思えば、彼の精神が最も安定していた中期の短編群が小説としての完成度が高いように感じます。 太宰治が「駆け込み訴え」を口述筆記した時その場に居合わせたという編集者曰く、酒を含みながら、よどみなく一気に話し、しかも文字に起こすと完璧な文章になっていた、と言いますから、やはり天才だったのでしょうね。 ただ、彼...