珈琲

精神障害

 朝の散歩の途中、喫茶店で休憩しました。
 珈琲の香りに、元気だった頃の自分を思い出し、突如、深い悲しみに捉われました。
 平成14年度、私は元気にハードワークをこなしていました。朝、アルバイトが入れてくれる珈琲が、とても良い香りを漂わせていたのを覚えています。

 その年、私の上司がうつ病で長期休暇を取り、私は役職を超えた仕事を任されました。私はアルバイト・パートを含めると40人を超える部下を自在に使い、天下を取ったような気分でした。その頃の後輩とは、いまだに時折、飲みに行きます。
 そして、うつ病になった上司を、心の中で嗤っていました。
 その二年後、自身が発病するとも知らずに。

 私は、どこで、どう、何を間違えてしまったのか。なぜ、よりにもよってこの私が精神の病をえたのか。
 そう思うと、悲しみは深まるばかりでした。