レッド・チャイナ

社会・政治

 近頃、新聞を開けば中国、テレビニュースをつければ中国。うんざりです。
 経済成長、たいへん結構。軍事力の増強も良いでしょう。オリンピック、万博、かつて我が国も通ってきた道です。

 しかし、高度経済成長下の我が国と、現在の中国では、決定的に違っている点があります。
 経済的にはともかく、政治的には、中国が一党独裁の国家だということです。
 悪名高い天安門事件のことは、今だ中国ではタブーだと聞きます。

 私は米国のように、どこもかしこも自由と民主を、とは思いません。
 お国柄、さまざまな政体があってよいでしょう。

 そうはいっても、万博入場者が少ないからと、政府がヤラセで動員をかけたり、偽ブランド品が堂々と出回っていたり、知的財産権という観念がなかったり、自由主義国家と同じ土俵で相撲を取ることは無理があるのではないかと思います。

 かつてレッド・チャイナに君臨したマオ主席が推し進めた文化大革命は無残な破壊をもたらしました。

 経済成長や軍事拡張を追い求め、国民の、自由や民主、格差是正などの願いが聞き届けられない場合、中国にもう一度大きな混乱が生じると、私は思っています。

 日本もかつて、バブルに狂いましたが、その後20年ちかくも、後遺症にあえいでいます。
 
 中国には、世界標準を守って、ソフトランディングを図ってほしいものです。
 

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