廊下すずめ

社会・政治

 近頃、モンスターペアレントなる親たちが跳梁跋扈し、学校を苦しめている、という話をよく聞きます。
 この種の人は相手が学校でなければクレーマーと呼ばれていますね。

 人間関係が希薄になったせいだとか、校内暴力が流行った時期に中高生で、就職はバブル期、そのため教師を馬鹿にしている、という世代のせい、あるいは子供を学校にやるのを消費活動ととらえ、損したくないのだ、とか、社会学者は様々に解説しています。

 本当のところはよくわかりません。
 大正から昭和初期においても同様の現象がみられ、廊下すずめと呼ばれていたそうです。
 そうすると時代のせいとばかりは言えませんね。

 いずれにしろ厄介な存在で、社会人なら多かれ少なかれこういう器量の狭い困ったちゃんに苦しめられたことがあるのではないでしょうか。

 三波春夫がテレビCMで、お客様は神様ですなどと、寝言を言っていましたが、あれは拝金主義を標榜し、金を落とすやつにはいくら媚びても平気です、と言っているようなもので、後の日本の消費者に誤ったメッセージを送りました。
 客が神様であるわけもなし、金を払うやつが威張る道理もありません。もちろん、商品なりサービスなりを提供する側がへりくだる道理も。

 昨日このブログで指摘した暴力的な老人を見るにつけ、こういうやつが育てた子供が今モンスターペアレントになり、さらにはその子供がモンスター学生、モンスターサラリーマンになり、世代間の連鎖が起き、やがて日本国中モンスターで溢れ、そのうち殺し合いでも始めるんじゃないか、とまで妄想してしまいます。

 多分もっとも手っ取り早い解決法は、クレームをつけられた学校なりお店なりが、不当な要求は断固として拒否し、場合によっては訴訟も辞さない、という強い態度に出ることではないかと思います。その場をしのごうと、簡単に頭を下げてはいけません。
 文句言うだけ損をすると思えば、不当なクレームは減るんじゃないでしょうか?

 今発売中の「婦人公論」でモンスター老人についての記事があります。これは初めて耳にする言葉ですね。この言葉が流行るほどモンスター老人が増えなければよいのですが。


婦人公論 2010年 7/22号 [雑誌]
中央公論新社
中央公論新社


モンスターペアレント―ムチャをねじ込む親たち
本間 正人
中経出版


モンスターペアレント!?―親バカとバカ親は紙一重
諸富 祥彦
アスペクト