山本モナと尼

その他

 最近山本モナが結婚を発表しましたね。
 先んじて、梨花や西川先生も結婚しました。
 いずれも恋多き女とか言われて、ワイドショーにネタを提供してくれた人たちです。
 これらのタレントは、恋愛遍歴を続けることで、自身の商品価値を高めたのでしょう。
 人の本性ともいえる恋を重ねることが収入にもつながる、うらやましい女たちです。

 しかし、恋愛は御法度の女たちもいます。
 宗教によって異なりますが、尼さんというのは、恋は御法度のはず。

 七十一種類の職人等が、月と恋という題で和歌を詠み、優劣を判じた、室町時代に編まれた「七十一番職人歌合」に、尼さんによる面白い歌があります。禅の比丘尼と法華の尼衆が対戦しています。

 本性を つくさんとこそ思ひしに 別に障碍(しょうげ)の 男おそろし
  (修行を積んで真実を見極めようと思っていたのに、障害となる男が怖い)

 男より 手わたしにこそ取らねども つゐに我らを 落し文みつ 
  (男から直接恋文を受け取ることはないが、自分を堕落させる恋文が落とされているのを拾って見てしまった)

 尼さんも、けっこうお盛んですねぇ。
 それよりも、この歌合せの判詞がまた過激です。

 聖の恋はしかるべからずとも、題によりてよめれば、さも侍るべし。みな懸想人の侍るをあらはせり。懺悔に罪あさくや。

 
要するに、恋と言う題で詠んだのだから、こういう風になるだろう、 尼さんといえども思う男がいて当然、素直に告白しているのは感心だ、というほどの意でしょう。

 わが国では尼さんの恋も微笑ましいものと思われていたのでしょうかね。
 宗教が持つ厳しさをゆるくしていく国民性は、寛容の精神を育て、マイノリティーにも優しくできる素地があるのではないではないかと思います。

 昨日の記事、南方浄土で自殺行を強いられた住職とは大きな違いです。

七十一番職人歌合;新撰狂歌集;古今夷曲集 (新 日本古典文学大系)
岩崎 佳枝,高橋 喜一,網野 善彦,塩村 耕
岩波書店

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