月給泥棒

仕事

  日経新聞の調査で、仕事について聞いたところ、 「仕事はお金を稼ぐ手段に過ぎない」と答える割合は、一般社員では44.5%、課長職38.5%、部長職33.9%だったそうです。

 意外に少ない、というのが私の実感です。

  仕事は生活を維持するために仕方なく行うもので、お金を稼ぐ手段にすぎない、と考える人が90%以上いるだろうと思っていましたので。
 しかも役職が上がるほど、仕事は金を稼ぐためだけではないと考えるようになるとは、不思議です。
 役職が高いほど給料も高いのに。
 すると仕事にやりがいやら生きがいを感じている人がヒラ社員でも半分以上いるんですねぇ。
 なんだか羨ましいような。

 就職して19年、仕事が楽しかったとか、やりがいを感じた、という記憶はほとんどないですねぇ。
 
 年度末決算で、締切の日、どうしても数字が合わず、経理部職員全員で徹夜して電卓たたいたり、システムいじったりして、夜が白々と明けてきたときもうダメだ、と思ったらぴったり合った時は泣けてくるほどうれしかったですね。
 それとある部署から異動する時、部長から、「この人がいたから数々のトラブルを乗り越えられた」と言われた時は、お世辞だとわかっていても悪い気はしませんでした。

 そのくらいでしょうか。

 特に精神病を患ってからは、仕事は苦痛でしかなく、給料は我慢料だと思っています。
 私が行っている事務職は完璧に出来て当たり前、失敗したら叱られる、減点法の世界です。
 ですから前例にならって、なるべく新しいことはやらず、無難にこなしていこう、という消極的な思考に陥りがちです。
 でもどこの会社も経理や総務などの管理部門はそんなもんじゃないでしょうかねぇ。
 基本的に誰でもできる仕事ですから、いくらでも替えは効く、という思いがあって、余計無難に、無難に、と思ってしまうんでしょう。
 病気休暇をとった時は、替えが効く職種で良かったと思いましたが、替えが効くということもやりがいにつながらない要因かもしれませんね。

 企業は自律的な欲求充足に加えて、共同的な欲求充足をもたらすことが可能な場である。

 
心理学者、マズローの言葉ですが、それは可能かもしれませんが、そうできている組織は少ないでしょう。
 
 今の私はリハビリ中ということもあり、ただ乗り社員というか、月給泥棒というか、まともな仕事をしていません。
 リハビリ期間が終わって、人並みの仕事を持ったとき、発病前のようにこなせるのか、再発してしまうのか不明ですが、なんだか物足りないですねぇ。

マズローの心理学
フランク・コーブル
産能大出版部
完全なる人間―魂のめざすもの
Abraham H. Maslow,上田 吉一
誠信書房

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