東京都青少年健全育成条例の改正案が可決されましたね。
法に反するような性行為を不当に賛美・誇張する漫画やアニメを規制するのだとか。
嗤うべし。
人間が考え、ひねり出した作品をお上が規制する愚は、古来、あまりに多く行われてきました。
それを繰り返そうというのですね。
大体不当に、とは何事か。
それはお上が恐れるほど高い芸術性と影響力を持っている作品としか、私には思えません。
しかも出版社や書店に自主規制を求めるとか。
世に自主規制ほど馬鹿馬鹿しいものはありません。
昭和陛下が危篤に陥ったとき何が起きたか。
歌舞音曲の自主規制。
優勝した野球チームのビールかけの自主規制。
挙句の果てには、「みなさん、お元気ですか」と井上陽水が語りかける車のCMで、その部分を無音にしてしまいました。
天皇が危篤のときは、「お元気ですか」という日常の挨拶すら自主規制してしまうという愚。
人間は日々、小さな差別や犯罪的行為を犯しながら生きています。
そうしなければ生きられないとも言えます。
そういう人間が作り出す表現は、必ず差別的で犯罪的です。
例えば私という言葉を発したなら、私以外の他者と私を区別もしくは差別しているのです。
それを、性表現に限ってお上がそれを犯罪と認めるならば、しかも不当になどという曖昧な基準を設けるならば、それを拡大解釈してなんであっても規制の対象にしてしまうでしょう。
このたびの条例改正は、石原都知事のあまたある愚かな政策のなかでも、最も愚かな悪法として、後世に名を残すでしょう。
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