小泉元総理が郵政民営化を叫んで選挙に大勝してからというもの、一つの政策に特化して悪者を仕立て上げ、その悪者を攻撃することで選挙に勝とうとする良からぬ風潮が出てきたように思います。
民主党は官僚を悪者に仕立てて脱官僚を叫び、行政機構が無駄ばかりやっているから金が足りないのだと、霞が関埋蔵金などという造語まで作ってついに政権を奪取しました。
しかしそれが虚言であったことはもはや明らかとなりました。
先の名古屋市長選挙においては、河村たかし市長が減税と議員給与の50%削減に反対する議会を悪者と決めつけ、正義の味方のような顔をして民主主義を名古屋名物にする、などとほざいて満面の笑みを浮かべ、薄気味悪いことに大差で圧勝しました。
首長と議会はどちらも選挙で選ばれた者。両者が対立することはむしろ当然で、だからこそ独裁防止の担保になっているというのに。
減税とか無駄をなくすとか脱官僚とかいうのは、手段であって政策ではありません。
元祖ワンフレーズポリティクスの小泉元総理の郵政民営化というのは、国の根幹にかかわることではありませんが、少なくとも政策でした。
しかしその後民主党やら名古屋市長やら阿久根市長やらの選挙戦術は、政策を訴えず、もっぱら手段を訴えるものでした。
民主党にいたっては、手段の正当性が担保されていなかったために、後ろに隠れていた重要な政策が次々に破綻してしまいました。
議員の給料とか霞が関の無駄とか、私にはどうでもよいことです。
それよりも、教育や外交、国防、経済などの重要政策をどうするのかを説いてほしいものです。
政策が正当であれば、それを実現させるための手段など、取り立てて騒ぐようなことではありますまい。
そういう瑣末事はプロの政治家にお任せします。
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