捐納(えんのう)

社会・政治

 民主党政権になって、政治と金の問題に厳しく対処するのかと思ったら、小沢議員が党員資格停止になったくらいで、身内には甘いようです。
 前原前外務大臣も大臣を辞することで野党からの追求から逃れたいご様子。
 政治は権力抜きには成り立ちませんから、権力に摺り寄るお金持ちは後を絶たず、お金が欲しい権力者も枚挙にいとまがありません。

 江戸時代、旗本や御家人は生活に窮すると、旗本株や御家人株を売ることがけっこうあったとか。
 これは違法行為ではなく、認められていたようです。

 中国でも古く捐納制度というのがありました。
 要するに民間人が役人になるための資格を金で買うのです。
 これは国家の制度で、贈収賄とは全く違います。
 お金持ちなら科挙に受からずとも特権のある上級役人になれたわけです。

 この制度は中華民国の成立まで続きます。
 悪い面ばかりでなく、良い面もあったようです。
 地方の有力者が役人になることで地方の実情を知ったりすることと、なにしろ税収を上げられるということですね。

 現在の中華人民共和国では行われなくなったはずですが、縁故採用や身内を出世させるなどの風習はのこっているやに耳にします。

 わが国でも小さな町役場や村役場では縁故採用が多いという噂を耳にします。
 公務員の採用は公平でなければならず、試験結果のみに拠っていると信じたいところです。

 政界では、政治には金がかかると大合唱していますが、いっそ捐納制度に倣って、議員も大臣も金で買えるようにしちゃったらどうでしょう。
 孫正義なんかが総理大臣になったりして、面白そうです。

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