102歳の自殺

社会・政治

 福島県飯館村に住む102歳のおじいちゃんが、今月12日、自殺したそうです。

 やるせないですねぇ。

 102歳まで生きて、もう先は長くないだろうに自ら命を絶つなんて。
 病死や老衰死だったら、紅白饅頭を配って長寿を祝う葬式になるはずだったのに、おじいちゃんの葬式は、暗い影を落とすものになってしまいました。

 飯館村といえば、計画的避難地域に指定された村。
 菅総理は発言を否定していますが、戻れるのは10年後になるか20年後になるかわからない、という趣旨の発言をしたと報道された地域です。

 102歳のおじいちゃんが10年も20年も避難しろと言われれば、それは死に場所を求めて彷徨えというようなもの。
 慣れ親しんだ故郷の村で最後を迎えたいと思っても不思議ではありません。

 広島でも長崎でも、原爆投下直後は50年間草一本生えない、と噂されましたが、両市の人々は投下の数日後から活動を再開し、戦後の復興も目覚ましいものでした。

 今回の原発事故がいくら重大だといっても、広島・長崎への原爆投下に比べれば、はるかに軽いものです。
 それを、10年住めないだとか20年住めないだとか根拠のないことを言うのは、しかもそれが誤りであることは、住民の気持ちを逆なでするものでしかありません。

 リーダーシップを発揮できないどころか、自ら風評被害の根源になっているような人を総理大臣に仰いでいる今のわが国は、誠に不幸であると言わざるをえません。

 菅総理は、一生懸命やっている、と言います。
 それはそうでしょう。
 一生懸命やるのはあまりに当然のこと。
 ただし、一生懸命やっても、結果を伴わなければ、何もやらないか、あるいは何もやらないより悪いこと。
 
 あらゆる組織に、やる気だけは満々だけど、なぜかそのやる気が空回りして周りに迷惑をかけ、結局何もしないで座っていてもらうのが一番良い、という人が一人や二人いるものです。

 菅総理も鳩山前総理もそういうタイプなのではないかと想像します。

 逆に、なんだかぼうっとしているやる気のない人だと思わせておいて、いざとなると鮮やかな仕事をする人がいます。
 能ある鷹、というやつでしょうか。

 102歳のおじいちゃんの無念の思いに報いるためにも、能ある鷹を見つけてリーダーに据えてほしい、と切に願います。

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