太陽

思想・学問

 わが国は太陽を模した国旗を持ち、極東に位置することから、日が昇る国とか太陽の帝国とか言われてきました。
 また、日本神話の最高神は太陽の化身である天照大神です。
 
 私はこれまで、日の丸は昇る朝日に違いあるまいと思ってきました。
 しかし近頃、沈む夕日にも見えるのです。
 戦後日の丸が最も燦然と輝いていたのは、高度成長からバブルまで。
 それが過ぎたらすっかり夕日っぽくなってしまいました。

 私は大坂万博の前年に生まれ、バブルの絶頂期は大学生で、つまり教育を受けている期間は概ね日本経済は順調でした。
 その代りと言ってはなんですが、政治的には無益なイデオロギー争いが続き、世の中には日の丸が大嫌いと言ってはばからない評論家やジャーナリストが大勢いました。
 多分日の丸の白い部分を赤く塗りつぶしたかったのだろうと思います。

 その残滓は今にいたるも残っていて、大坂府で公立学校において日の丸の常時掲揚と君が代斉唱時の起立を義務付ける条例が制定されました。

 そんな条例を作らなければならないなんて、まことに馬鹿馬鹿しく、悲しいことです。

 朝はおはようと言わなければいけない、みたいな下らない条例ですが、それがなければ意地でもおはようと言わない教師がいるということなんでしょうねぇ。

 客観的に見ても主観的に見ても、日の丸のデザインは世界で最も美しい国旗の一つでしょう。
 シンプルで強烈。
 太陽を表していることが一目でわかります。
 明治初期、大英帝国が日の丸のデザインを売ってくれ、と言ってきたというのも、英国人の審美眼が確かだったからでしょう。

 自由だとか平等だとか博愛だとか言った理屈や、肌の色やジャングルの色を表すといった意味や、血の色が基調の共産国などとは異なり、特にこれといった意味のない、太陽を象徴する日の丸は、意味がないからこそ、芸術的な美しさを誇っています。

 日の丸の美しさに変わりはありませんが、それが朝日から夕日へと意味合いを変貌させてきているのではないか、という疑惑は、一人私だけの杞憂ではありますまい。

 震災にあっても、原発事故があっても、わが国はスーパーコンピューターの演算処理能力で世界一となり、なお日本の技術力は高いことが証明されています。

 ナーバスでセンチメンタルになってしまった私たち日本人。
 しかし聖徳太子の昔から、わが国民は身分不相応なほどに誇り高く、諸外国から煙たがられてきました。
 今こそあまりにも高い自尊心を取り戻し、日の丸を朝日に戻したいものです。

知っておきたい「日の丸」の話―国旗の常識・日本と世界 (学研新書)
吹浦 忠正
学研パブリッシング
「日の丸・君が代」の話 (PHP新書)
松本 健一
PHP研究所

人気ブログランキングへ
 
↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
素晴らしいすごいとても良い良い