上方落語の大名跡、桂文枝の名を、関西お笑い界の重鎮、桂三枝が襲名することになったそうですね。
継げば六代目の文枝。
まことにおめでたいことです。
なんでも来年7月、69歳の誕生日に襲名披露を行う予定だとか。
自らの実力で三枝という名前を大きくして、このまま生涯桂三枝で通すのかと思ったら、大名跡継承で上方落語会を引っ張っていくとともに、大物噺家としての責任を果たす覚悟のようです。
江戸落語では三遊亭圓生の名をめぐって、六代目圓生の直弟子、三遊亭圓丈と、六代目圓生の預かり弟子、三遊亭圓窓、さらには六代目圓生の孫弟子の三遊亭鳳楽の三人が骨肉の争いを繰り広げるという醜態をさらし、この問題は勃発してから三年にもなりますが、決着する気配が見えません。
先代圓楽が三遊亭圓生の総領弟子だったにも関わらず、圓楽のまま引退し、死去されたことが、この問題の元にあるように思います。
わが国の伝統芸能では、同じ名前を弟子や実子が継いでいく、ということが習慣化されています。
いわば名跡が一種の役職みたいになっているのですね。
例えば歌舞伎で市川団十郎といえば荒事部門の部長を兼ねながら、江戸歌舞伎全体を総括する社長でもあります。
その名前を継ぐということは、名誉なことであるとともに、たいへん重い責任を背負うことになります。
そういう意味では、団十郎の直前の名前ともいうべき市川海老蔵が、いくら歌舞伎役者とはいえ、酔ったうえでの喧嘩沙汰はいただけませんねぇ。
いずれにしても六代目桂文枝師匠には、寄席のみならず、今までどおり、テレビなどでも元気な姿を見せてもらいたいものです。
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