ロシア版「プラトーン」とも言うべき戦争映画、「アフガン」を昨夜DVDで鑑賞しました。
1988年、アフガニスタンとの戦争が泥沼化したソビエト。
祖国の窮地を救うべく志願した若者たち。
前半は新兵たちが地獄の訓練を耐え抜くさまが描かれます。
ここは多分、「愛と青春の旅立ち」を意識して作られていると思います。
後半は、最前線の第9中隊に配属された彼らと、アフガニスタンのイスラム兵たちとの死闘が描かれます。
高地に築いたお粗末なソビエト軍の陣地に、顔に黒い布を巻いたイスラム戦士たちが、雨後の筍のように次から次から、殺しても殺しても、自軍の兵士の死体を踏み越えて突撃してくる様は圧巻です。
まさに死兵の突撃。
いかに銃器に勝るソビエト軍といえども、あの人海戦術に適うはずがありません。
次々と倒れていくソビエト兵。
なかなかの迫力です。
しかし、「プラトーン」に見られたような、米兵同士の確執や、自分が戦場に放り出されたかのような臨場感は感じられませんでした。
また、「愛と青春の旅立ち」に見られたような、鬼軍曹と士官候補生との人間的なドラマもありませんでした。
それと、米国にとってのベトナム戦争のように、ソビエトにとってアフガニスタンとの戦争は、いわば余計なお節介をやいたわけです。
ベトナムでの米兵がマリファナや酒で厭戦気分を紛らわせながらどうにか戦っているのに比べ、ソビエト兵はあまりに優等生的というか、お上品に過ぎるように感じました。
実際のソビエト兵は長い圧政と物不足に倦んでいたものと想像します。
実際、アフガニスタンとの死闘から数年を経ずして、ソビエト連邦は崩壊してしまうのですから。
私としては、迫力はあるけど深みがない、残念な映画と見ました。
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